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悔しさという過程の向こうにある喜び

不思議なものである。
「気持ち」というのは、本来見えないものだ。
しかし時に、その姿から思いが伝わってくることがある。

負けている場面、その投手は2アウトから失点をした。
イニングを投げ終え、ベンチで迎える同僚たちの手に触れることなく、グラブを外し、悔しさを押し殺しながら、グラウンドから消えて行った。
勝ち負けが彼に付くわけではない。
追い上げムードに水を差した、と見る向きもあるだろうが、試合の大勢には影響がなかった失点だったともいえる。
故障で出遅れた、層が薄くなった投手陣を支えるために、場面を選ばす必死に投げている姿を見ていれば、責めるファンは少ないだろう。
ただファンはそれでいいが、選手は違う。

「勝ち負けだけが楽しみではない」という人がいる。
しかしそれはあくまでも趣味として見ているファンの視点だ。
そして「勝ち負けではない」と言えるのは、それこそ必死にグラウンドで勝負をしている選手がいるからだ。
ユニフォームを着ている人間とファンは同列ではない。
一緒に戦っている、そういう思う人たちもいるだろうが、私はそう思えない。
戦っているのは彼らであり、スタンドやテレビの前の人間はその場に立つことはない。

悔しさや喜びの意味も違う。
選手は文字通り、勝負の世界にいる。
個人的な勝負、チームとしての勝負、そこでの勝ち負けがそのまま感情となる。
しかしファンの悔しさや喜びは、それとは別のものだ。
戦いの中にいないのだから当然だろう。
ではなぜ、同調していると思うのか?錯覚するのか?
そこに必死で勝ちにこだわり戦う選手たちがいるからだ。
決して感傷的なものではない。
もっと生々しい、自分のポジションを得るための戦いをしている姿に感動し、思わず「がんばれ」と声に出してしまうのだ。
勝負に心が震えるのは、悔しさを超えたところにある結果を出した姿を見た時だ。

負けに慣れ、「こんなものだ」という姿には何も感じない。
たとえ結果が出ても、悔しいという過程が見えないからだ。
負け続けていれば、面白くないだろう。
ただそれで生活を立てているプロならば、そこでこそ抜いたプレーをすべきではない。
厳しいかもしれない、生々しいかもしれないが、多くの一般の人がもらえない報酬をもらっているのだ。
チームが勝てなくても、個人の勝負にこだわる姿は見せられるはず。
それが団体競技の中に、個人競技のエッセンスが含まれた野球というスポーツだ。

試合に影響のない場面でも、必死に自分の居場所を確保しようとする姿は、若手、ベテラン関係なく、見ている人たちに”なにか“を伝えてくる。
その”なにか“とは、外からでは見ることのできない悔しさを乗り越えるための”過程”なのかもしれない。

「悔しさ」「喜び」「思い」すべて目に見えないものだ。
しかし見ているファンには、それが伝わる。
「気を抜く」「諦める」「投げやりになる」
これも逆の意味で、伝わってほしくないものだが、届いてしまう。

球場で見られるものは多種多様になってきている。
花火、マスコット、イベントのような楽しみ方は合っていい。
しかし本当に見せるべきは、選手の勝ちにこだわる姿だろう。
そこにこだわりがあるからこそ、相手との間に緊張感が生まれ、好プレーや奇跡のようなことが起こるのだ。

打たれた姿に心を揺さぶられたというのは、選手にとって失礼なことだ。
彼は打たれるために、負けるためにマウンドへ立ったわけではない。
ベンチへ下がる時「なぜできなかった」という悔いが心の中に充満していたことだろう。
ただ「次はやり返す」悔しさの中に、その思いが込められたことが伝わってきた。
そして本当に、次にマウンドへ立った時、彼がリベンジをしたときに感動が来る。
あくまでもセットだ。
だから、なにも伝わらない勝負の後に、たとえいい結果が出ても、”喜び“や”感動は来ない。
現実では、そこで起きたことは気持ちがあろうとなかろうと、事実として数字に残る。
しかしそれだけなら、実際にプレーなど見ずに新聞でも見ていればいい。
そうしないのは、目に見えないはずが、なぜ伝わってくるのかわからないものが、心に届くから、球場へ足を運び、テレビ画面に目を向けるのだ。

これは私の個人的な嗜好だ。
いろいろな楽しみ方は合っていい。
「本当のファン」という者からは、外れてしまっているかもしれないが、私が見たいのは選手たちの勝負へのこだわりだ。
大差で負けているなら、個人の勝負に重きを置いてもいい。
本塁打やヒットではなくても、走塁で守備でも執念のプレーというのはある。
そういうものは、勝ち負けへのこだわりの中でしか生まれない。
そしてそういう姿を見てこそ、私は「負けたけどいいものを見た」と勝負を度外視出来る。
今年は残念ながら、そういうシーンが少なく、寂しいシーズン。
あともう残り少ない中で、どれだけそんな場面が、姿が見られるだろうか?
ただ少なくとも、悔しさを体いっぱいで表現した彼の次のマウンドは、どんな結果であれ、心が揺さぶられると思う。


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~フリーコラム~真中監督退任報道を受けて

優勝、5割が完全消滅したサヨナラ負け。
その翌日となる今日、サンスポ、日刊スポーツ、スポニチが一斉に真中監督の進退について報道した。
サンスポは「辞任(辞意を固めた)」、日刊スポーツは「続投要請(真中監督の意思は不透明)」、スポニチは「退任」。
言葉は変えているが、あくまでも球団主導ではなく、真中監督自身の意思によるものという意味に取れる報道となった。

下位に沈めば、監督が責任を取るというのは、毎年のようにプロ野球で起こることだ。
今季のスワローズは、二桁連敗が2度あり、球団ワーストの記録を作ることも多かった。
監督の責任問題が浮上するのは当然の流れだった。
実際夏場には休養という話題も上った。
しかし真中監督は生え抜きであり、二軍監督を経て就任させた経緯もある。
また昨年5位、今季は最下位がほぼ決定的な状況だが、初年度にリーグ制覇を遂げた監督。
話し合いがもたれ、球団が続投を要請するも、真中監督の意思固く…という形で収め、任期満了により退任という筋書きが、一番穏便で傷つけない気遣いが感じられる、一連の流れだ。
それと同時に、小川SD体制を敷き、編成主導のチーム作りは、ドラフト改革などまだ道半ばであり、そのフロントに責任が及ぶことを回避するという意味もあるのだろう。

今季のスワローズは、開幕3連戦こそ勝ち越したが、次のタイガース戦で負け越すと、浮上のきっかけを見いだせないまま沈んでいった。
当然そうなれば、監督批判の声が上がる。
一方で生え抜き2人目の優勝監督、また主力の故障が相次いだことから、かばう声も上がった。
そのどちらの声も否定されるものではない。
それだけ監督の責任は重く、ファンから注目される存在だということ。
主力選手と同様か、それ以上に扱われるのが監督という職業。
負ければ、采配批判が起こるのは仕方がないと言える。
そこを含めて引き受けなければならない。
だからこそ、下世話な話だが、コーチと年俸が大きく違うのだ。

その采配についてだが、「采配はベンチの中にいる人しかわからないのだから文句を言ってはいけない」という意見がある。
たしかにそういうこともあるが、本来采配というものは、選手に贈るメッセージという意味合いもある。
打順、守備位置、代打、代走、先発、中継ぎ、抑えという試合前に決まっている役割、これは選手にとってわかりやすいものだが、試合中の作戦面においては、ファンがわからないもの、解説席のプロ野球経験者でも成功失敗ではなく「意味がわからない」ことは、選手も理解することは出来ないだろう。
全員が納得する策などない、いちいちミーティングでそれらを説明していては、それこそチームとして成り立たなくなる。
もちろん個人的に意図を伝えられる場合はあると思うが、それは主力選手や特殊な役割を託す場合のみ、他の選手は策から意味を汲み取らなければならない。
だからこそ結果失敗でも選手が納得するものでなければならないのが、試合中の采配。
そこに必要なのが「根拠」となる。
策のもととなる根拠、すべては無理でもこれをいかに数多く示せるか、それが監督の求心力を作り出すものだと言っていいのかもしれない。

プロ野球という毎年入団退団が繰り返される世界では、選手が揃う時期と足りなくなる時がある。
所謂世代交代期というものが来ている場合の監督は厳しいものがある。
15年に優勝した真中監督だが、そこをピークに現状を見れば世代交代の真っ最中という見方も出来、故障者続出の反省から二軍では体つくりが優先されていることから、一軍への供給がままならなかった面は否定できない。
それだけに勝ち負け、順位の責任がすべて監督にあるというのは乱暴な話だ。
しかしそれでも辞める選択をしなければならないのが、「優勝はすべての辛いこと、不満が流れる」のと同様に、「監督辞任も、そこにケジメが付くもの」だからだ。
ケジメのない組織が浮上することはない。
トップはいつか決断をしなければならない。
そしてそのきっかけこそ、ファン、フロント、OB評論家にも見えない「空気」というものなのだろう。

たとえ下位に沈んでいても、まだ選手は着いてきてくれていると感じられれば、監督というのは辞任を選ばないものだ。
選手もプロ、戦力が他球団と較べてどうなのかということはわかる。
しかしそれでも、勝ちを目指すのが勝負の世界にいる人たちだ。
ただある程度戦力的には納得していても、負けが混んでいく上、首脳陣が考えていることが伝わらなければ、不満という名の「空気」が充満する。
こうなると組織として機能しないことは、監督全員が選手時代を経ているだけに、誰よりもわかっているはずだ。
真中監督よりも先に辞任を発表した伊東監督のコメントとして「一部報道が流れてからベンチに動揺が見られた」というものがあった。
これも一つの空気と言っていいだろう。
こういうものこそ、ベンチにいなければわからない。
そしてそんな空気を感じられない感性の鈍い人が、指揮官まで上り詰めることはない。

優勝を経験させてくれた監督、そのことを選手はファン以上にわかっている。
しかし一年一年が勝負である選手たちにとって、それは過去のことである。
そのことに感謝をするのは、優勝した年のオフと想い出となる監督が辞めた後のこと。
監督は、辞めることで想い出と悔しさを置いていく。
そのいろいろな意味が籠められた悔しさを、辞任というわかりやすい行動によって具体化することで、選手は監督に向けていた責任を自分ものとする。
それが来季以降の選手の財産となる。
辞めることでしか伝えられないものがあるのだろう。

まだ正式発表ではなく、小川前監督のように辞任一転続投という例もあるが、内部に真中打撃コーチという後釜が控えていた時とは状況が違う。
真中監督退任はこのままシーズン終了と同時に現実となることだろう。

そんな中、早速スポニチは後任監督の名前を挙げていたが、これはとりあえずにしか過ぎないと思われる。
監督人事というのは確定が出るまで分からない。
近い記憶では、昨年のライオンズ監督は、いろいろな名前が挙がり、絞られた段階ではスワローズOBの宮本氏という声が大きくなった時期があった。
しかし決まってみれば、あっても全く不思議はなかったライオンズOBのドラゴンズ辻コーチ。
球団も話がつぶれないように、本命の名前を隠すためフェイクの情報を流すことがある。
これは賭け引きであり、悪いことではない。

そんな次の監督人事については、先日ブロマガ記事で書いたので、(2017.8.14投稿「真夏にストープ点火…飛び火するのは?」こちらはブロマガ記事です)、今日はその中で触れてこなかった伊藤コーチについて少し書く。
この可能性はほぼないといってもいいだろう。
内部昇格は、小川前監督から真中チーフ打撃コーチというものと同じだが、状況が違う。
14年最下位に沈んだスワローズだが、”セ界の火薬庫“と言われた兆しは見せていた。
チーム打率、得点は最下位でありながら1位。
二軍監督時代の優勝とこの打撃の実績をもって、真中一軍監督は就任に至った。
しかし今季伊藤投手コーチが担当する、投手部門はリーグ唯一の4点台でチーム順位同様最下位。
ファンには贔屓とする選手、コーチがいるだけに、名前はいろいろ挙がるが、大事なことはまず選手が納得出来る監督であるかどうか。
その考えに数字というのは大きな威力を持つと思われるだけに、伊藤コーチ昇格というのは可能性が低いと思われる。

監督の策が選手、ファンへのメッセージだとしたら、フロントにとってのそれは監督人事である。
もし本当に真中監督続投の考えをフロントが持っていたとしたら、高津二軍監督の昇格は、育成プログラムの狂いを生じかねない。
ファームも選手不足に苦しんだが、それでも好成績を残している。
現在の一軍でレギュラーの穴を埋めている、山崎、藤井、奥村はキャンプからファーム組であることを見ても、ファームの指導は結果が出ているといってもいいだろう。
その二軍の長である高津二軍監督の昇格は、自然なものであり、本命に見えるが、一本化するほどの強さは感じられない。
今季の真中体制は、小川前監督のように、補強、スタッフを見ても最後の年と思えるようなものではなかった。
結果は出なかったが現役メジャーのオーレンドルフを加入させるなど、一年目のオンドルセク、成瀬、大引という補強同様に球団は動いていた。
そうなると、高津二軍監督が将来はともかく、一年で一軍監督へという構想があったとは思えない。
今季の公示を見ても、ファームから昇格するメンバーはほぼ同じ名前。
故障の多さの反省から、しっかり体を作ってからという意思が働いているように見える。
そうなると、高津二軍監督は据え置きでということも考えられる。

監督人事はまだまだ他にも名前が出てくるだろう。
古田元監督、宮本氏と言った在野にいる実績人気も兼ねる大物OBだけでなく、優勝の後2年連続で下位低迷だけに、次への繋ぎを意識した「泥をかぶれる」人選がなされるかもしれない。
何にしろ、その監督人事によって、フロントが来季以降どのような目的をもって戦うかが見えてくるはずだ。

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10年高田監督辞任、14年小川監督続投・・・厳しかったシーズンは過去にもあった

スワローズは7月勝ち星なし、2度目の10連敗。
15年に優勝したものの、それ以外の年に目を移せば、苦しいシーズンがいくつかあった。
そのうちの10年、高田監督辞任、14年小川監督2年連続最下位。
今季同様に厳しいシーズン、その時リアルタイムでどう見たか?
当時のコラムで振り返る。

高田監督退団へ

「時すでに遅し」小川監督は泥にまみれたユニフォームを今季最後まで着る覚悟か

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~フリーコラム~山田の不振を生んだのは周囲の「期待」から生まれたものか?

 山田哲人が苦しんでいる。
 これまでのNPBの歴史の中で、わずか8人しか達成していないトリプルスリーを2015年に達成。チームを14年ぶりのリーグ優勝に導き、MVPを獲得。しかしそれだけにとどまらず、翌2016年には前人未到の2年連続トリプルスリーという快挙を成し遂げた。
 伝説の始まり。
常に予想を上回る結果を残した山田は、これからも良い意味で期待を裏切り続け、どこまで上り続けていくのかと想像するだけで楽しみになる存在になった。
  しかし今季、その成績は上がらない。 トリプルスリーどころか、そのうち一つでも達成するのが、難しい状況。
 落ち込む成績を鼓舞するつもりだったのかもしれない、「交流戦へ入ればすごいのが来る」と言っていたが、リーグ戦以上の落ち込みが待っていた。
 現在の成績は、打率.213、8本塁打、29打点、9盗塁。昨年までの山田哲人を思い出せないほどの落ち込みようだ。
 
 私は以前、山田は「嘘をつく」と書いたことがある。
 ヒーローインタビューに立てば、打てた場面を喜び、チームの勝利への貢献に安堵し、そしてファンへの感謝を述べ、最後は次の試合に向けての抱負を語る。そこには奇をてらった言葉や受けを狙ったものはない。無難なコメントに終始する。
 またメディアに載る話も、目新しいものはない。打ったのは反応、狙い球ではなかったが、上手く打てた、といったような中身を感じないものが多い。
 スコアラーのところへ行くことも少ないと言われ、試合前に対戦相手の映像を見ることはない。「打席での感じ方の方が大事」と言い切る。そんな言葉の数々が、感性で打つ打者というイメージを与えているのだろう。
 しかし感性だけで打席へ立っている打者が、2年連続トリプルスリーを達成できるだろうか?私はそう思わない。
 山田は非常にクレーバーな選手であり、メディアに対し語る言葉は感性で打っていることを強く印象付けるもの、スコアラーのところへ行かないのは、自分なりに相手投手への対峙の仕方があり、そこに迷いを生まないための自己防衛であると勝手に思っている。
 ただそんな山田が、弱音をこぼすようになってきた。それだけ追い詰められているという証なのかもしれない。

 私はプロ野球経験者ではないから技術的なことはわからない。ただ山田を見続けている中で、今季の打撃フォームには違和感を覚えていた。
 それは右膝の使い方だ。
 山田は左脚を大きく上げ、タイミングを取る打者なのは、野球ファンであればだれもが知っていること。テレビ中継で語られている不調の原因に、この脚の上げるタイミングが遅く、差し込まれているというものが多く聞かれるが、私に違和感を伝えてきたのは、軸足の右、部位でいえば膝だ。

 長距離打者の打ち方の例えにはいろいろある
 プロ野球OBの評論家が打者の前の肩の壁の話をよくするが、それは体の開きの話。
 山田の場合軸の右足の方に壁があるかのように真っすぐに立ち、そこで溜められた力が着地する左脚、バットの乗り移って打球を飛ばしていく。まるで弓矢が放たれたような美しさがある。
 しかし今季の山田は、右膝頭が一塁ベンチ方向ではなく、捕手側に向いていく。

 一流打者と言われる選手の中にも足を上げる選手は数多くいる。
代表的な選手は古くは”一本足打法“の王貞治氏、”振り子打法“と言われたイチローが挙げられる。特にイチローは王貞治氏のようにまっすぐ脚を上げるのではなく、捕手側に振るため、一見今季の山田哲人と同様に、軸足の膝が捕手側に向きそうだがそうはなっていない。
 この二人は左打者、右打者であれば現役の選手で見ると、ジャイアンツの坂本が山田哲に近い形と言ってもいいだろう。
 しかしやはり、軸足の膝は投手方向へ向くことはあっても、捕手方向になることはない。
 他にも過去の超一流と言われた打者のフォームを見たが、三冠王落合博満氏、天才と評されたカープ前田智徳氏、メジャーで通 用したスラッガー松井秀喜氏は晩年にややその傾向が見られるだけで、安定した成績を残した選手に、今の山田と同様の形になる選手は少なかった。

 そんな検索をする中で、唯一軸足が捕手方向へ向く打者がいた。それはファイターズの大谷、もう一人は常にそうなっているわけではないが、山田の同僚である雄平がそうだ。
 ただこの二人には山田哲人との決定的な違いがある。
 それは左右の打席の違いだけでなく、打撃の型だ。
 大谷、雄平は左打者でありながら、逆方向へ長打を打てる特徴を持つ。軸足の膝を捕手側に向けることで、体の開きを抑え、素直にそのまま強く振ることから、そのような特徴が出るのだろう。
 しかし山田は、プルヒッター。逆方向へ行くのはたまたまで、本来のスタイルはレフト方向への強い打球だ。
 それが逆方向へ強く打つ打者と同じような始動をしているのだからうまく行かない。上半身は左へ、下半身は右と真逆な方向へ向いている。これだけ力が分散するのだから、力強い打球を求めるのは無理だ。
 今季山田哲人の本塁打が右方向に行く傾向が見られるのは、本人の意思とは逆に偶然不利遅れ気味になったことで、理想的なフォームが生まれ、いい打球を生んでいるのかもしれない。
 打撃フォームの技術に関しては、素人がどうこう言えるものではないが、日常の生活においても、下半身の小さな動きが上半身へ伝わることで大きな変化になることは経験したことがあるはずだ。
 今の山田は、自分の思い通りに体が動かない形、一言でいえば不自然だということになる。

 技術論はこの辺りにして、ではなぜ山田哲人の打撃がこのような狂いを生じたのだろうか?
各評論家が語るように、昨年受けた死球の影響、WBC出場に出場したことで、調整の狂い、対応しようとしたことが、この形を生み出したこともあるだろう。一昨年捻挫した右足首に緩みがあり、それが安定感を失くさせ、膝の動きに繋がっているのかもしれない。
 しかし私にはもう一つの理由が浮かんでいる。それは、前人未到の2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人だからこそのもの、40×40への意識だ。

 指導にずっと当たっていた杉村コーチは、「本当の意味では中距離打者」と山田哲人を評している。その言葉通り、トリプルスリーを達成した当時、最も厳しかったのは、本塁打をクリアすることだと山田哲人は語っている。

 昨年38本塁打を記録した山田。
 死球による欠場、コンディション不良があったことを考えれば、あと2本はそれほど難しいものではないように思える。昨年の出場試合数は133。もし順調に出場していればあと10試合チャンスはあり、打つ可能性はあったが、仮定の話でしかない。
 昨年までの山田であれば、ヒットが5試合でないことは考えにくいが、本塁打となれば別の話で、二週間ぐらい遠ざかることは何度かあった。
 投手なら二桁、野手なら3割、30本といった区切りの数字には壁があるという。山田とて例外ではないだろう。
 まして山田は、「本塁打をクリアするのが最も難しい」と言っているのだから、届かなくても不思議はなかったのだ。

 ただ40×40をクリアするには、この難しいまだ届いたことのない40本塁打を打たなければならない。
 またもう一つの40盗塁をクリアするためにも、この記録を狙うには先に到達しておきたい本数なのだ。
 山田は2年連続盗塁王も獲っている選手だが、15年が34、16年30とどちらも40には届いていない。3塁への盗塁がないことから、数字が伸びていかないというものもあるのだろうが、「状況を見て必要のないところでは走らない」と真中監督が言うように、セーブしていることがあるのだと思われる。
 言葉にはしないが、40盗塁というものに関しては自信があると推察する。
 この40×40という記録、長打と盗塁という相反するものを両方伸ばしていかなければならないところに難しさがある。
 40本塁打を打つような選手は、当然長打が多くなる。
 3塁盗塁のない、山田の盗塁企画をする条件は、1塁走者になり、2塁ベースが空いているというものだ。そうなると本塁打どころか、14年、15年連続リーグトップの2ベースさえ、記録達成には邪魔なヒットとなる。
 だからこそ40本塁打へ先に到達している必要がある。
 それだけ本塁打を打てば、四死球は増える。
 ストライクが来ても本塁打に出来るコースへはなかなか投げては来ない。
 そうなったときに、ミートしてヒットを稼げば、1塁走者となる確率は高まる。
 山田は本塁打に関しては難しいというが、3割に対してはマイナスの言葉を口にしていない。ヒットを打つにはコツがある、と言われるが、おそらく山田の中でそのことが確立されているのだろう。つまり少なくとも昨年まではヒット、出塁においてはある程度計算が立っているということになる。

 その40本塁打を目指すためのフォームが、今季のものだと私は思っている。
 狙いを定めてその形になったのか、無意識に「飛ばしたい」という気持ちがフォームに出たのかはわからない。
昨年までの山田は、フリー打撃でスタンドインをあまりしない珍しい本塁打王と言われたが、今季は練習での打球が飛んでいるという。
 打撃投手の緩い球であれば、多少タイミングがずれても、勢いから生まれたスイングで遠くへ運ぶことが出来るのだろう。
しかし生きた球は違う。
 体をひねれば勢いがつく。勢いが付けば、自然とスタンスは広くなる。
 脚を上げて着地しても、スタンスが狭かった山田だが、それが広くなれば当然視線は変わる。
 山田と言えばインコースの強さが有名だが、もう一つの特徴はハイボールヒッターであるということ。自分自身スイング軌道は変えているつもりはなくても、視線がずれればボールの見え方、バットの通る道は違ってくる。それが高目の球の打ちミスとなり、ファール、凡打に繋がっているように思える。
 今季右への本塁打を打った試合、例えば4-8から最終回に追いついた火付け役となった一発は、「ランナーが3塁にいたので還すための打撃」をしたことから生まれたという。
 その時のフォームは右膝が捕手方向へ行ってない。ただ追い詰められた心境で行ったことは、これまで蓄積されたものが瞬間的に出たもので、意識していない分、体に染み付いていかない。
「良くてもすぐに忘れてしまう」
 山田の言葉がそれを表している。
 このコメントを素直に受け入れるなら、40×40への意識は、周りから植え付けられたもので、そこを目指したフォーム改造ではなかったのかもしれない。

 超一流の選手ほど繊細であるという。
 山田も例に漏れず、そうであると思われる。
 そんな選手だけに、チームが、ファンが、自分に何を求めているかは十分にわかっているだろう。それも2年連続トリプルスリーを達成した山田にかかる期待は、普通のものではなかったはずだ。
 それはファンだけのものではない。
 プロ野球界全体から山田に覆いかぶさるものだった。
 その期待の重さに、超一流の中へ入った山田は気づいた。
 ガムシャラにやってきた間は見えなかったものが、目に入り、耳に届くようになった。
 そんな状態で、結果が出なければ、普通の精神状態でなくなり、求められているものしか見えなくなっている当然のこと。それがフォームのズレを元に戻せない要因なのだろう。
 杉村コーチの「精神的なもの」というのは、あながち間違ってはいないように思える。

 良かった時の山田は、無難な発言をすることで自分の打撃内容をぼかしてきた。
 それはある意味プロとして、自分を守る手段だともいえる。
 しかしやはりプロ野球選手は成績なのだ。成績が落ちれば、弱音も出てくる。自分を守ることすら出来ないほど追い込まれ、嘘をつけなくなった。
 
 今季はこのまま低迷する可能性は高い。
 それを見て短気な人たちは、「山田は終わった」というかもしれない。だがきっと山田は裏切ってくれるはずだ。
 これまで何度も良い意味で期待を裏切ってくれたのが山田。
 逆境を乗り越え、今度は「終わった」という期待を裏切ってくれるはずだ。

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~フリーコラム~走る!守る!声を出す!のトリプルリングが見せるチームへの献身

逃げ切るために、最終回守りにつく。
得点を是が非でも欲しい場面、塁上に送られる。
どんなチームでもレギュラーが大切なのは当然だが、長いペナントレース、それだけでは戦えない。
バイプレーヤー。
決まったポジションはない、打席に立つ機会は少ないが、塁上に立つことは多い。
スワローズにもそんな選手がいる。
ユーティリティーに守れる守備力、打球判断も含めた走塁技術を持ち、なおかつベンチを助ける “士気を上げる声”が出る、三拍子揃った選手。
トリプルスリーの山田哲人ほど華やかな貢献ではないが、チームへの献身を見せているのが背番号60三輪正義だ。

内野手として入団した三輪だが、本職を守ることは少ない。
主に外野、それも守備固めとして守りにつく。
ここまで233試合、イニングは少ないものの、三輪の外野手としての失策は1。
決して名手というわけではない。
とくには不格好な姿で、フライを捕る姿も見られる。
ただミスはしない。
そんな三輪を多用したのは、「ああいう選手をプロというのだ」といった小川前監督だった。

代行から昇格した小川監督の1年目の11年、三輪の出場試合は前年の10試合から54試合と増加。
しかし打席数は、前年と同じ16であったことから、その起用法は代走、守備固めに偏っていたのがわかる。
その翌年、三輪には守備固め、代走に加え、”ピンチバンター“という役割がプラスされた。
出場試合は65試合と増え、打席は39と増え、犠打は8を記録。
相手チームが完全にバントシフトの中、完璧に決めて見せる場面が数多く見られた。

小川前監督が、「プロ」と称したのは、三輪の準備をする姿勢なのだろう。
試合中ベンチが映る、スワローズが守備に着いている場面、三輪の位置はコーチ陣が固まるホームベース寄りの前列。
ここから守備コーチは、シフトの指示をする。
ピンチのときはもちろん、データに表される打球傾向による守備位置の指示もここから出る。
それが聞こえる場所、見やすい場所に三輪の姿は必ずある。
これは守備固めで出場する際の準備なのだろう。
若手の多いスワローズの中で、イニング間の野手とのキャッチボールの役割を譲らないのも、三輪なりの考えが見えてくる。

代わってスワローズが攻撃に移ると、三輪は一塁ベースに最も近い場所へ移動する。
投手の牽制、癖が最も見える場所。
ここで三輪は立ったまま試合の戦況を見守る。
またこの辺りに固まるのは、バレンティン、畠山、現役時代は宮本もいた。
皆、読みで打つ打者であり、打席が終わった後、投手の傾向を話し合うこともあるだろう。
滅多に打席へ立つことはない三輪だが、少ないチャンスを逃さないための、それも準備に思えてくる。

「代打は難しい」。
評論家は口を揃えて言う。
スタメンで起用される選手と違い、打席に立つことから離れると、”打撃感“がなくなってしまうからだ。
三輪のような選手ならなおさらだろう。
代走、守備固めで起用されることが多いため、打席は当然少なくなる。
しかし昨年、三輪は10試合ぶりの打席でヒットを放っている。
こんなことは珍しくはない。
プロ通算60安打ながら、サヨナラヒットが2本。
偶然ヒットを打つ選手の確率とは思えない。
これもまた準備から来るものなのだろう。

そして終盤、接戦の場面での三輪の姿は、監督やコーチの背後にある。
バレンティンや畠山が出塁すれば、代走で起用されることを見越して、ベンチ裏で準備をしつつも、試合展開を見るために、小さい体を伸ばしながらグラウンドに視線を送っている。

小川前監督はそんな三輪の準備を感じつつ、同じ俊足の比屋根がベンチにいる場合、1塁走者の代走に起用することは少なかった。
三輪に求められているのは、ホームへ還ってくる足。
2塁もしくは3塁への代走の場合、小川監督の選択は三輪だった。
1本のシングルヒットで、2塁から確実に還ってくる。
1本の内野ゴロで、好スタートを切り3塁から得点を奪う。
小川前監督は、三輪の日頃の準備から来る、打球判断を信じていたのだろう。
俊足でありながら、盗塁が6なのは、スタートが下手なのではなく、求められているものが違ったからだ。
盗塁というのは、代走にとって華のあるプレー。
それを捨てても、チームへの献身を見せる、ここにも三輪を“プロ”と評する小川前監督の思いが込められているのだろう。
通算安打が60本でありながら、得点はそれを上回る71というのは、あまり紹介されないが、足で生きている三輪の勲章ともいえる数字だ。

しかし三輪のような選手が機能するには、チームがある程度の成績を収めているときに限る。
接戦にならなければ、代走は単にレギュラーを休ませるだけの役割に過ぎず、試合終盤の守りも同様だ。
13年まで順調に出場試合数を増やしてきた三輪だが、14年チームが最下位に沈むと出場試合数は32、10年以来に50試合を割り多くの日々をファームで送った。
若手育成の年と小川前監督が割り切ったこともあるが、投手陣が崩壊状態にあり、三輪の生かしどころがなかったということもあったのだろう。

それを証明するように、15年スワローズがリーグ制覇を果たすと、三輪の出場試合数は自己最多の87。
チームが上位争いすれば、それだけ際どい試合が多くなる。
指揮官が真中監督になっても変わらず、三輪は存在感を示した。
102打席86打数20安打13得点打点7.233犠打6。
ヒット、打点はキャリアハイ。
オンドルセクの激昂という、5位に沈んだチームにとってありがたくない出来事が目立った試合、ムードからすると敗色濃厚だったところをサヨナラ打で明るく締めたのは三輪だった。
ムードメーカーがヒットという結果で、チームを鼓舞した瞬間だった。

しかしチーム状態が悪くなれば、やはり三輪を生かすことは出来ない。
14年と同様投壊現象に陥った昨年スワローズは5位に沈み、三輪の出場も51試合と減ってしまった。
三輪のチームへの献身が評価されるには、チームが勝たなければならないのだ。

3/31、プロ野球は開幕する。
キャンプがファーム調整なのは、毎年のこと。
しかしオープン戦も終盤になると、三輪の姿は一軍のグラウンドにあった。
スワローズの評価は、例年通り良くはないが、久しぶりに先発6本、抑えに日本代表の秋吉、打線は川端こそ欠いたスタートになりそうだが、山田、バレンティンを中心とした破壊力は健在、言われているほど悪いようには思えない。
そんな順調なチーム状態であれば、開幕一軍にユーティリティ三輪の名前があるはず。
準備に裏付けられた走塁と、泥臭く不格好かもしれないが根拠のある守り、予想もしない場面での大仕事をこなす打撃。
シーズンが進んでいく中で、チームが勝利を重ねていけば、三輪の出場試合は比例し増えていく。
グラウンドで「五月蝿い」とまで言われる三輪の声が響いていれば、チームは好調ということ。
試合の厳しい場面ほど、このトリプルリングは輝きを見せる。

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